密度勾配遠心法(density-gradient centrifugation)

DANやRNA、リポソームのような高分子物質を遠心分離で分離するとき、遠心管中の溶液に密度勾配をつくり、これを利用して分離する方法で2つの方法がある。
① 沈降速度法
遠心管中にあらかじめ、上部から下部へ密度が大きくなる密度勾配を作っておく。この密度勾配液の上にRNAなどを含む最も軽い密度の溶液をバンド状に静かに重層する。これを超遠心機などで高速遠心すると、沈降係数(分子の比重、形、分子量の大きさで決まる分子の重さ)の大きいものほど早く沈降し、遠心管中で重さの順にバンド状に分子が並び、分離することができる。よく使用されるのはショ糖によるショ糖密度勾配遠心法である。
② 等密度遠心法
遠心管に塩化セシウム、硫酸セシウムなどの水溶液を入れ、高速で長時間遠心すると、遠心管中で上が薄く下が濃い濃度勾配ができる。このとき、DANなどを始めから溶液に加えておくと、遠心により生じた密度勾配中で、DNAは自分の密度と同じ溶媒密度の所に上下から集まり、バンド状になる。遠心をやめその部分を取り出す。

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