立体特異性(stereospecificity)

生命体が立体異性体を識別することを立体特異性という。通常の方法で化学合成した化合物は立体的には異なったものの混合物であることが多い。例えば、アラニン(アミノ酸)は立体的には異なったL型とD型の立体異性体(光学異性体)の等量混合物(ラセミ体)である。
 生命体のつくるタンパク質は全てL型アミノ酸からできており、酵素の活性部位、基質結合部位、受容体のリガンド結合部位などが立体的に組立てられ、特定の立体構造のものしか反応できないため、生命体はこの立体異性体を識別する能力を持っている。

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